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飲食店で起業したいなら!準備や開業手続きで必要な情報まとめ

多くの人が起業にチャレンジする今日の中でも、飲食店開業の人気はとりわけ高いです。

しかしながら、飲食業を開業するにあたって、「資金はどのくらい準備するべき?」や「補助金はもらえるの?」等の疑問を持つ方も多いです。

そこで、この記事では、飲食業開業に必要な資金や開業補助金について徹底的に解説していきます。

飲食店で起業するのに資金はいくら必要?

お店の規模にもよりますが、飲食店の起業には
約1000万円程度
かかります。

必要な資金は大きく分けて、「設備資金」「不動産取得費」「運転資金」の3つです。

設備資金

内装・外装

飲食業では、調理の際に必要となる機器を整備する必要があります。

例えば、店内で電子機器を使用するための電気工事、調理するためのガス工事、調理や皿払いで必要となる水回り機器等です。

内装に加え、店舗の外に看板や品書きを設置したり、塗装したりする外装工事も必要なので注意しましょう。

<内装・外装費用の例>

  • 光熱費(ガス・電気・下水道)
  • 電気工事・配線工事
  • 窓ガラス・扉等の設置
  • 塗装工事
  • 看板・品書き

家電・調理機器・備品等

内装・外装に加え、家電・調理機器・備品等のための資金も準備しておくといいでしょう。

冷蔵庫やオーブン等の調理器具、フライパンやまな板等のキッチン用品、お皿や箸などの備品等購入しておくべきものは多くあります。

また、開業するためには店内の机と椅子、装飾品、レジなども必要となるので、開業前に事前に必要になるものを確認しておくことが資金節約のコツです。

<家電・調理機器・備品の例>

  • 調理器具(冷蔵庫、オーブン、電子レンジ等)
  • キッチン用品(食器類、フライパン、鍋等)
  • 会計機(レジ)
  • インテリア(机、椅子、装飾品等)

不動産取得費

敷金・礼金

不動産会社との契約時に、敷金・礼金を支払います。

敷金については、契約満了後に契約者に返ってきます。

額が大きくなる場合もあるため、初期投資額を計算する際には、あらかじめ考慮しておくと良いでしょう。

保証料

住宅ローンを借りる際に、金融機関が指定する保証会社に払うお金のことを保証金といいます。

保証金は、敷金・礼金と同じように不動産契約時に初期投資として支払います。

保証会社を立てておくことで、何らかの事情で家賃を支払うことができなくなった際に保証会社が代わりに払ってもらうことができます。

今後起こりうるリスクを考慮し、資金計算の際にはテナントにとって必要な初期投資として盛り込んでおきましょう。

仲介手数料

「仲介手数料」とは、賃貸物件を紹介した不動産会社に対して、物件案内、交渉、契約の締結などの対価として支払うお金のことを指します。

約1か月分の家賃を支払うことになります。

不動産会社によっては、「仲介手数料半額」や「仲介手数料無料」にしている場合もあるのでぜひ確認してみてください。

家賃支払い前払い

一般的に不動産を契約する際、契約初月から3か月分の家賃を一括で支払います。

そのため、家賃の額の大きさに関わらず、契約時にまとまったお金を準備することが必要です。

上記にある資金をすべて考慮した場合、不動産契約時に約1年分の家賃額を準備しておくことが資金準備のコツです。

<不動産取得費の内訳>

  • 敷金
  • 礼金
  • 保証料
  • 仲介手数料
  • 家賃支払い前払い

運転資金

飲食店を開業するにあたり、家賃や人件費等の運転資金が必要となります。

売上金から支払うこともできますが、開業初期から安定した売り上げを出すことは難しいため、3か月~半年分の運転資金を準備しておくと良いでしょう。

運転資金としては、仕入資金、人件費、社会保険料、家賃、通信料、光熱費、広告宣伝費、荷物運搬料、消耗品費等が挙げられます。

お店の規模によって額が変わってくるため、自店舗の開業にかかるコストを十分に考慮しておく必要があります。

運転資金を計算する際には、1か月毎に必要となる運転資金を計算した上で、軌道に乗るまでに必要となる月数をかけます。

開業後の売り上げを計算した上で、余裕を持った運転資金額を準備しましょう。

<運転資金の一例>

  • 仕入資金
  • 人件費
  • 社会保険料
  • 家賃
  • 通信料
  • 光熱費
  • 広告宣伝費
  • 荷物運搬料
  • 消耗品費

飲食店の起業には補助金を利用がオススメ

これまでの内容を踏まえると、飲食店を起業するには、初期投資、運転資金含め多大なコストがかかることが分かります。

他の業界と比較しても飲食業界は三本指に入るほど、最初の投資が大切です。

そして、これらの資金を事業主本人が全て背負うのは難しく、飲食店で起業するには、自己資金のみに頼らず補助金を利用することが重要です。

飲食店の起業で利用できる補助金として、「創業補助金」と「小規模事業者持続化補助金」があります。

これらの補助金は、資金調達の際に活用できるので是非確認してみてください。

創業補助金

「創業補助金」とは、創業時に必要な資金を国や地方自治体が補助してくれる制度を指します。

新たな需要や雇用を生み出し、日本経済を活性化させることが目的とされています。

創業補助金は、創業前での企業でも申請出来る上に、返済義務が課されていません。

また、創業補助金を得たということは、「国が事業の可能性を認めた」というお墨付きが押されることになるので会社の社会的信用の向上にも寄与するでしょう。

社会的信用が向上すると、顧客が安心して来店できるため、売り上げの向上にもつながります。

一方で、補助金が得られるのは審査後であり、申請後すぐに補助金が交付されるわけではないので注意が必要です。

対象者

創業補助金募集日以降に新たに創業する者

申請期間

毎年一度春頃の1か月間のみに申請受付

条件

創業補助金を受け取るためには以下3つの条件を満たす必要があります。

  • 使用目的が事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費がある
  • 交付決定日以降、補助事業期間内の契約・発注により発生した経費がある
  • 証拠書類などによって金額・支払いなどが確認できる経費がある

申請手順

申請をする際は、まず事業計画書や申請書を提出し審査を受けます。

補助金対象となった場合は、申請の受諾後6か月間が経費補助期間となり、その後、領収書や請求書を同封した報告書を提出します。

報告書の審査がかけられ、報告書提出から数か月後に補助金が交付される流れとなります。

概要 詳細
対象者 創業補助金募集日以降に新たに創業する者
申請期間 毎年一度春頃の1か月間のみに申請受付
条件 ・使用目的が事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
・交付決定日以降、補助事業期間内の契約
・発注により発生した経費
・証拠書類などによって金額・支払いなどが
確認できる経費
申請手順 1.事業計画書や申請書の提出・審査
2.申請受諾
3.事業開始
4.領収書や請求書を同封した報告書を提出
5.報告書の審査
6.補助金の交付(報告書提出から数か月後)

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者の事業を継続・発展させるために作られた、事業主に対して補助金支給を行う支援制度です。

対象者

商工会議所の管轄内地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」

小規模事業者とは、従業員5名以下の商業・サービス業、従業員20名以下の宿泊業・娯楽業、従業員20名以下の製造業その他を指します。

詳しくは日本商工会議所のホームページで紹介されているので確認してみてください。

日本商工会議所ホームページ

補助率・補助額

補助率は、補助対象経費の2/3以下、補助上限額は50万円という規定があります。

市町村から推薦を受けた特別の場合は、より高額な補助金を得ることができる場合もあります。

手続の流れ

経営計画書及び補助事業計画書を策定の後、日本商工会議所に提出し審査を受けます。

補助金を受領することになった場合は、事業を進め、所定の期日までに事業報告書を日本商工会議所に提出します。

報告書に不備が無い場合、補助金の受領となります。

開業にあたって必要な資格や手続き

飲食店を開業するためには、資格を取得する必要があります。

飲食店を開業するとなると、一般的に「調理師免許」を想像しがちですが、飲食店の開業に必要な資格は実は2つしかありません。

食品衛生責任者

食品を取り扱う飲食店においては、「食品衛生責任者」が最低1人在籍する必要があります。

食品衛生責任者は、主に食品の衛生管理を指導・管理する役割を持っています。

地方公共団体に在る保健所で講習を受けた後、テストを受けなければなりません。

必要となる費用は10000円前後です。

防火管理者

防火管理者とは、火事やその防災に対する知識・対策を理解している者を指します。

店舗の収容人数が、30人以上の際に取得が必要です。

消防署の講習を受講することで取得することができます。

3000円~5000円で取得することができます。

上記2つの資格に加えて、飲食店によっては他の資格を取得する必要がある場合もあります。

例えば、「深夜酒類提供飲食店営業届」とは、深夜から朝型にかけて酒類を販売する飲食店が取得する資格です。

店舗の商品やサービスに沿った資格を取得するようにしましょう。

項目 資格取得要人数 講習実施場所 受講費/講習期間 届け先/届け出期間
食品衛生責任者 各店舗
最低1名
各都道府県 10000円/1日 保健所/店舗完成10日前
防火管理者 各店舗
最低1名
※30人以上収容店舗
消防署 3000円~5000円
/1日~2日
消防署
/営業開始まで
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
※ガールズバー等の風俗営業の場合は、「風俗営業許可申請」が別途必要
各店舗1通
※深夜0時以降種類を販売する店舗
警察署 0円/ なし
(書類提出あり)
警察署
/営業開始10日前

自分の店のコンセプトを決めよう

飲食店を開業するにあたっては、まず「コンセプト」を決定することが大切です。

なぜなら、コンセプトを明確にしないまま開業準備を進めた場合、外装やメニューにいたるまで様々な決定が難しくなったり、店のコンセプトが曖昧になり、店の売り上げに悪影響を与える場合もあります。

例えば、コンセプトを明確にしないまま開業準備を進めた場合、外装はハンバーガーレストランなのに、メニューにはイタリア料理が多い等の事態に陥りかねません。

したがって、まずは、「店のコンセプト」を決めた上でその他の事業に移りましょう。

具体的にどのように決めるか

ターゲットを決める

まずは、その飲食店にとって「どの客層を顧客(ターゲット)にしたいか」を考えてみましょう。

「ペルソナ」という方法を使って、顧客のイメージを具体的に書いてみるのが適切なターゲティングを行うコツです。

例)20代/大学生/女性/インスタグラムが好き/ご飯は女性の友達と一緒にいく/長話が好き/ゆっくり過ごしたい

以上のように、「ペルソナ」では、想定される実際の顧客の特性を書き出しターゲットを明確にします。

そうすると、店のコンセプトをより具体的に落とし込むことができます。

ターゲットがどんな目的で来店するかを明確にする

上記のペルソナとしたターゲットを設定したにも関わらず、店の目的を「美味しいご飯を安価で早く提供する」ことを目的にした場合、顧客と店の目的が一致しない場合があります。

そうなると売り上げも落ちてしまいます。

ターゲットが来店する目的と店のサービスを一致させるためにも、ターゲットがどんな目的で来店するかを明確にすると良いでしょう。

例えば、上に挙げたペルソナを踏まえると、「回転率の早い飲食店」よりも「ゆっくり過ごせるカフェ」の方が適していることが分かります。

それに沿ったメニューやサービスを考える

目的を明確が出来たら、実際にメニューやサービスを作って行きましょう。

その際に、メニューや店が提供するサービスが目的と一貫していることを意識するとよいでしょう。

例えば、「味に拘りつくしたコーヒー」よりも、「長居出来る雰囲気」や「インスタグラムで映えるラテアート」をサービスとして提供したほうが顧客のニーズと一致し、売り上げにつながるかもしれません。

まとめ

飲食店を開業する場合、多額の初期投資や資格の取得、補助金の手続等多くのことに着手する必要があります。

これらをきちんとこなすことが開業後の無駄な資金の流出を防ぎ、補助金の獲得につなげることができます。

そのためには、周到な段取りと計画、事業のコンセプト作りが必要となります。

十分な準備をせず、飲食店を開業・運営すると、様々な疑問や問題が発生します。

また、取得可能な補助金を逃してしまうこともあります。

開業後のトラブルを回避しスムーズに運営を行っていくためには、
専門家の力を借りながら開業準備を進めることがベストな選択
であると言えます。